荻野 敏(国府病院)
中日春秋(2016年12月10日 朝刊)
http://www.chunichi.co.jp/article/column/syunju/CK2016121002000113.html
Paragrafo UNO
▼『科学とは「不思議を殺すものでなくて、不思議を生み出すものである」という名言を残したのは、夏目漱石の弟子で物理学者の寺田寅彦だ』
↓
さすが、夏目漱石!!弟子も名言を残してますなぁ
Paragrafo DUE
▼『たとえば、かつては「すべてのものは原子からできている」と教わったのに、科学の進展で、私たちが知る原子で作られている物質は宇宙のわずか4%にすぎず、残りは謎の物質だと分かった』
↓
そ、そうなんだ・・・。僕も原子でできていると習ったと記憶しているので、ちょっとびっくり。というかその割合にびっくり。多分ダークマターのことだと思うけど。
Paragrafo TRE
▼『常識が覆され、新たな不思議が見つかる。そのおかげで私たちはより深く、違った角度から考えられるようになる。それが科学の醍醐味だろうが。どうもわが国の政府は「不思議を生み出す」科学に冷淡なようだ』
↓
日本の政府の姿勢はどうか良くわからないが、物事を多角的に見る、そして疑ってかかるってのは大事なことですよね。訓練を5つの視点で見ることや贋作者的態度っていうのは、まさにそのことを意味していると思います。
Paragrafo QUATTRO
▼『きょう、ノーベル賞の受賞式典に臨む大隅良典さんは「謎が解かれた時、新たな謎が生まれるのが科学」と説き、「科学が役に立つというのが、数年後に企業化できることと、同義語になっている」と憂いている。研究費が削られ、拙速に成果が求められる現状では、科学立国の礎が危ういとの警鐘だ』
↓
確かに、1知ると10の疑問が出て、10知ると100の疑問が出てくるってのは、なんとなく直感的に理解できますよね。そして安直に成果を求める(求められる)というのもなんとなく分かる。例えば、そのままダイレクトに患者に適応できる論文を求めたり、すぐ明日からすべての患者に使えるテクニックを求めたりするのも同様なことなのではないでしょうか。とすると、この国の姿勢というよりは、僕らセラピストの中に住まう「楽して簡単に成果を求める姿勢」もリハビリテーションの礎が危険な状態ということに置き換えられそうですね。
Paragrafo CINQUE
▼『偉大な政治家にして科学者でもあったベンジャミン・フランクリンにはこんな逸話が伝わる。自然科学の新たな成果に接した人が、「これは何の役に立つのだ?」と聞くと、彼は聞き返した。「では、生まれたばかりの赤ん坊は、何の役に立つというのです?」』
↓
この切り替えし、素晴らしいですね。確かに納得です。
Paragrafo SEI
▼『大人には計り知れぬ可能性を秘めた「赤ん坊」に「何の役に立つか」を問う。そういう社会では、未来は望めまい。』
↓
僕らは、人間の基礎をなす哲学や神経科学だけではなく、リハビリテーションの技術的なものや教育学なども勉強しなければなりません。認知神経リハビリテーションに取り組もうとすると、勉強しなければならない学問の幅が広すぎることに戸惑っている人も多いのではないでしょうか。でも安易にテクニックに向かうのではなく、その基礎にある学問をおろそかにしてはいけないと思います、そして何故なんだろうという疑問を持つことも大事ですよね。傍から見たら何の役に立つか分からないような勉強でも、いずれその意味が分かることにより、治療の組み立てに有益をもたらすかもしれない。基礎がわかっていなければ、未来は望めないと思いました。
2016年12月15日木曜日
2016年12月2日金曜日
宇宙飛行士 大西卓哉氏より学ぶ
井内 勲(岡崎共立病院)
10月30日に日本人11人目の宇宙飛行士として国際宇宙ステーションから帰還した大西卓哉氏について、11月26日の中日新聞で「地球人に戻らなきゃ」の見出しと宇宙航空研究開発機構(JAXA)施設でバランスクッションの上で片足立ちにて4キロのボールでキャッチボールをしているトレーニングの写真と一緒に現状が少し紹介されていた。そこでは「飛行前の九十パーセントぐらいの状態に戻ってきた」と一か月足らずでのリハビリでの回復ぶりもあった。
思い返せば帰還された直後の大西氏の映像は約4か月の宇宙滞在からの帰還であり当然ながら立つことも出来ず、持っている小さなタイマーでさえ重いと重力下の地上の感想を述べていた。
筋力低下は無動・不動により骨格筋は、1週間で10~15%筋力が低下、高齢者ではそれが倍になる。また、筋力は最大筋力の20~30%程度の筋収縮をおこなう事で維持され、30%以上の筋収縮で筋力は増加、20%以下で低下してゆくと報告があり、筋力強化(骨格筋の大きさの変化を目的とした増強でなく)の効果として今回の大西氏の回復はかなり著しい成果が想像される。
そしてNHKのNEWS WEB では先の中日新聞のコメントに加えて「地球に帰還した直後は、脳が重力を忘れていて、普通に歩くことすら難しい状況だった。リハビリを行うことで、今は90%ぐらいまで回復しているが、重力に再び慣れる難しさを感じている」とリハビリ後コメントを述べていたようで、脳が重力を思い出す事の重要さが伺えた。
日本人飛行士のリハビリはこれまで米航空宇宙局(NASA)が担当していたが、大西氏からはJAXAが主導するようで日本でも専門の人材がそろってきたとあった。喜ばしく感じられたと同時に、リハビリテーションを担う我々は多くの分野から多くの視点で学びを広げる必要も感じた。
10月30日に日本人11人目の宇宙飛行士として国際宇宙ステーションから帰還した大西卓哉氏について、11月26日の中日新聞で「地球人に戻らなきゃ」の見出しと宇宙航空研究開発機構(JAXA)施設でバランスクッションの上で片足立ちにて4キロのボールでキャッチボールをしているトレーニングの写真と一緒に現状が少し紹介されていた。そこでは「飛行前の九十パーセントぐらいの状態に戻ってきた」と一か月足らずでのリハビリでの回復ぶりもあった。
思い返せば帰還された直後の大西氏の映像は約4か月の宇宙滞在からの帰還であり当然ながら立つことも出来ず、持っている小さなタイマーでさえ重いと重力下の地上の感想を述べていた。
筋力低下は無動・不動により骨格筋は、1週間で10~15%筋力が低下、高齢者ではそれが倍になる。また、筋力は最大筋力の20~30%程度の筋収縮をおこなう事で維持され、30%以上の筋収縮で筋力は増加、20%以下で低下してゆくと報告があり、筋力強化(骨格筋の大きさの変化を目的とした増強でなく)の効果として今回の大西氏の回復はかなり著しい成果が想像される。
そしてNHKのNEWS WEB では先の中日新聞のコメントに加えて「地球に帰還した直後は、脳が重力を忘れていて、普通に歩くことすら難しい状況だった。リハビリを行うことで、今は90%ぐらいまで回復しているが、重力に再び慣れる難しさを感じている」とリハビリ後コメントを述べていたようで、脳が重力を思い出す事の重要さが伺えた。
日本人飛行士のリハビリはこれまで米航空宇宙局(NASA)が担当していたが、大西氏からはJAXAが主導するようで日本でも専門の人材がそろってきたとあった。喜ばしく感じられたと同時に、リハビリテーションを担う我々は多くの分野から多くの視点で学びを広げる必要も感じた。
2016年11月16日水曜日
アルツハイマー病の病態失認と手続き学習
若月 勇輝(介護老人保健施設いずみ)
アルツハイマー病の病態失認と手続き学習
(Anosognosia and procedural learning in Alzheimer's disease.)
著者: Starkstein SE, Sabe L, Cuerva AG, Kuzis G, Leiguarda R
雑誌: Neuropsychiatry Neuropsychol Behav Neurol.
背景:認知的欠陥への気づきは、知的に障害した潜在学習に依存するかもしれない。また、アルツハイマー病の病態失認は潜在学習の欠如から生じた結果である可能性がある。
目的と方法:
アルツハイマー病患者(probable)の55名を、軽度群(n = 13)、重度群(n = 12)、病態失認ではない群(n = 30)に分け、宣言的な学習と手続き的な学習のテストを含んだ神経心理的なバッテリーで評価した。
結果:
宣言的な学習(Buschke Selective Reminding TestとBenton視覚記銘検査)のテストでは、群間に有意な差は無かった.
しかし、重度の病態失認患者は、手続き的な学習(Maze Learning Testの測定)とセットシフティング能力を評価する検査(ウィスコンシンカード分類課題)に関して、病態失認のないAD患者より有意に悪いパフォーマンスを示した。
著者の結論:
アルツハイマー病の手続き学習の欠如と病態失認が、学習システムの機能障害の結果から生じる可能性があることを示唆する。
URL: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9150509
アルツハイマー病の病態失認と手続き学習
(Anosognosia and procedural learning in Alzheimer's disease.)
著者: Starkstein SE, Sabe L, Cuerva AG, Kuzis G, Leiguarda R
雑誌: Neuropsychiatry Neuropsychol Behav Neurol.
背景:認知的欠陥への気づきは、知的に障害した潜在学習に依存するかもしれない。また、アルツハイマー病の病態失認は潜在学習の欠如から生じた結果である可能性がある。
目的と方法:
アルツハイマー病患者(probable)の55名を、軽度群(n = 13)、重度群(n = 12)、病態失認ではない群(n = 30)に分け、宣言的な学習と手続き的な学習のテストを含んだ神経心理的なバッテリーで評価した。
結果:
宣言的な学習(Buschke Selective Reminding TestとBenton視覚記銘検査)のテストでは、群間に有意な差は無かった.
しかし、重度の病態失認患者は、手続き的な学習(Maze Learning Testの測定)とセットシフティング能力を評価する検査(ウィスコンシンカード分類課題)に関して、病態失認のないAD患者より有意に悪いパフォーマンスを示した。
著者の結論:
アルツハイマー病の手続き学習の欠如と病態失認が、学習システムの機能障害の結果から生じる可能性があることを示唆する。
URL: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9150509
2016年11月2日水曜日
感覚はどこまで動作制御に関与しているのか
進藤 隆治(岡崎共立病院)
こないだまで、臨床実習のバイザーを行っていた。学生が認知課題をやっているところを観ると、だいたい「感覚訓練ですか?」「感覚をよくする為にこの訓練をしているのか?」といった質問をよく受ける。その際、自分は運動と感覚の「円環性」の話をして、感覚じゃなく運動を観ていることを伝えるが、相手にはなかなか理解が得られていないと痛感することをよく経験する。
今回、下記の論文を読んだので参考にしたいと想い今回のヒントを書こうと思う。
感覚はどこまで動作制御に関与しているのか -その可能性-
中川 賀嗣
神経心理学2016.Vol.32 No.2 P.181-192
動作は、以下の3つの側面において感覚によって支えられると想定されるとある。
①動作の枠組みの形成や制御に関する側面
②様々な運動パターンを獲得(学習)するという側面
③動作実行に際して、その都度生じる対象者と手(対象がない場合には手のみ)の状況を何らかの形で把握し、それに基づいて動作を調整するという側面
特に自分が気になったところは、②の内容である「学習時の感覚情報を運動パターンに織り込んでいる可能」を示唆する知見であった。
ここではパントマイム失行(観念運動失行)が取り上げられており、道具を視覚呈示しても動作の改善がみられなかったが、視覚的にはその道具とは全く形状が異なる、単なるスティック(道具の把持部分に相当)把持することで、実際の道具と同様の成績に回復することを示した。これは道具と同様の体性感覚入力を得ることで可能になったと解釈できる。つまり、体性感覚が喚起や発動された動作のきっかけとなったとのことだ。
臨床で、立ち上がりの際に下肢の支持が全く入らず全介助で移乗をサポートすることがある。こんな時は案外、足底前足部を床を押し付け圧刺激を入れてあげることで、下肢の伸筋の収縮がみられ下肢で体幹を支持することができる。運動をサポートする際に、身体のどこで、どんな感覚に注意を向けるかや、身体の認識を促していくことで運動が誘発されることがある。セラピストはどのような感覚を使って患者になんの情報を収集してほしいかを考えるで運動を組織化していくとができる。
特に片麻痺の運動の改善がみられず焦る経験をすることが多いが、感覚入力は運動を作っていく為には重要な要素であることがよく理解できた。
感覚が運動にどう関連しているのかを、今後説明していくのにかなり参考になる論文だと思い、今回は臨床のヒントで取り上げさせてもらった。
こないだまで、臨床実習のバイザーを行っていた。学生が認知課題をやっているところを観ると、だいたい「感覚訓練ですか?」「感覚をよくする為にこの訓練をしているのか?」といった質問をよく受ける。その際、自分は運動と感覚の「円環性」の話をして、感覚じゃなく運動を観ていることを伝えるが、相手にはなかなか理解が得られていないと痛感することをよく経験する。
今回、下記の論文を読んだので参考にしたいと想い今回のヒントを書こうと思う。
感覚はどこまで動作制御に関与しているのか -その可能性-
中川 賀嗣
神経心理学2016.Vol.32 No.2 P.181-192
動作は、以下の3つの側面において感覚によって支えられると想定されるとある。
①動作の枠組みの形成や制御に関する側面
②様々な運動パターンを獲得(学習)するという側面
③動作実行に際して、その都度生じる対象者と手(対象がない場合には手のみ)の状況を何らかの形で把握し、それに基づいて動作を調整するという側面
特に自分が気になったところは、②の内容である「学習時の感覚情報を運動パターンに織り込んでいる可能」を示唆する知見であった。
ここではパントマイム失行(観念運動失行)が取り上げられており、道具を視覚呈示しても動作の改善がみられなかったが、視覚的にはその道具とは全く形状が異なる、単なるスティック(道具の把持部分に相当)把持することで、実際の道具と同様の成績に回復することを示した。これは道具と同様の体性感覚入力を得ることで可能になったと解釈できる。つまり、体性感覚が喚起や発動された動作のきっかけとなったとのことだ。
臨床で、立ち上がりの際に下肢の支持が全く入らず全介助で移乗をサポートすることがある。こんな時は案外、足底前足部を床を押し付け圧刺激を入れてあげることで、下肢の伸筋の収縮がみられ下肢で体幹を支持することができる。運動をサポートする際に、身体のどこで、どんな感覚に注意を向けるかや、身体の認識を促していくことで運動が誘発されることがある。セラピストはどのような感覚を使って患者になんの情報を収集してほしいかを考えるで運動を組織化していくとができる。
特に片麻痺の運動の改善がみられず焦る経験をすることが多いが、感覚入力は運動を作っていく為には重要な要素であることがよく理解できた。
感覚が運動にどう関連しているのかを、今後説明していくのにかなり参考になる論文だと思い、今回は臨床のヒントで取り上げさせてもらった。
2016年10月17日月曜日
ヒントを探そう
首藤 康聡(岡崎南病院)
今日は娘のバレーボールの練習日。少し早めに迎えに行ったので練習を見学していました。
練習を見ながら動作分析をしたり、宙に浮いたボールとアタックする手の関係性なんかを考えていました。まあ職業柄どうしてもそうやって見てしまうところがあり、娘の頑張る姿を応援する親らしい気持ちをついつい忘れて「いかんな」と心の中でつぶやいたりしていました。
っと思いながらも頭の中をよぎったのは『自分はどこまで運動の事がわかっているのか』という運動に対する疑問でした。運動学や生理学、認知神経科学、発達心理学、社会心理学など運動に関わる学問がどれだけわかっているのかと・・・
全然何も知らない・・・
ふっとそんな自分に気が付きました。気づいた途端なんだか情けない気持ちでいっぱいになってしまいました。
基礎も知らないのに、病気と闘っていけるのか・・・
僕にはそのための武器がまだまだ足りない。他の誰よりも圧倒的に・・・
だからこそ普段から臨床のヒントを探して行きたいと思います。
でも決して一人では探しきれません。
一緒に臨床のヒントを探してみませんか?
これからの臨床のためにも!
そんな臨床のヒントを探す方法がここにあります!
認知神経リハビリテーション学会主催愛知ベーシック!
11月5日(土)・6日(日)の二日間、星城大学リハビリテーション学院で開催されます。
宮本会長を初め、基礎科学、臨床のスペシャリストの方々に講義をして頂きます。
(僭越ながら私も講義をさせて頂きます)
締め切りまであとわずかです!
ぜひ臨床のヒントを探しに来てください!
http://www.ctejapan.com/basic/basic.html#aichi
今日は娘のバレーボールの練習日。少し早めに迎えに行ったので練習を見学していました。
練習を見ながら動作分析をしたり、宙に浮いたボールとアタックする手の関係性なんかを考えていました。まあ職業柄どうしてもそうやって見てしまうところがあり、娘の頑張る姿を応援する親らしい気持ちをついつい忘れて「いかんな」と心の中でつぶやいたりしていました。
っと思いながらも頭の中をよぎったのは『自分はどこまで運動の事がわかっているのか』という運動に対する疑問でした。運動学や生理学、認知神経科学、発達心理学、社会心理学など運動に関わる学問がどれだけわかっているのかと・・・
全然何も知らない・・・
ふっとそんな自分に気が付きました。気づいた途端なんだか情けない気持ちでいっぱいになってしまいました。
基礎も知らないのに、病気と闘っていけるのか・・・
僕にはそのための武器がまだまだ足りない。他の誰よりも圧倒的に・・・
だからこそ普段から臨床のヒントを探して行きたいと思います。
でも決して一人では探しきれません。
一緒に臨床のヒントを探してみませんか?
これからの臨床のためにも!
そんな臨床のヒントを探す方法がここにあります!
認知神経リハビリテーション学会主催愛知ベーシック!
11月5日(土)・6日(日)の二日間、星城大学リハビリテーション学院で開催されます。
宮本会長を初め、基礎科学、臨床のスペシャリストの方々に講義をして頂きます。
(僭越ながら私も講義をさせて頂きます)
締め切りまであとわずかです!
ぜひ臨床のヒントを探しに来てください!
http://www.ctejapan.com/basic/basic.html#aichi
2016年10月2日日曜日
頭の位置
佐藤 郁江(岡崎南病院)
中学校の頃、学生証の証明写真を撮る時にカメラマンに頭を右にと指摘されている人がいました。自分もできるのかなと順番が来て行ってみると指摘されて直されるものの自分の中心がわからなくなる経験をしていました。自分の中で弓道を経験して身体の正中に対して注意を向けていることもありました。弓道の経験の中では頸部を左回旋している状態なので頭の位置の中間は少し経験不足なのかもしれません。認知神経リハビリテーションを経験する中で身体への注意はさらに興味を持つものとなっています。そんな中カメラマンに写真を撮ってもらう機会があったのですが、また開始時は少し頭を右にと指摘を受けていました。やはり自分の身体においてもまだ正中をとらえることのむずかしさがありました。患者さんにもこのような中間位に持っていくといったことにこだわりすぎてしまうと、訓練に進めなくなってしまうこともあるのではと思えてきました。撮影が進むうちに少しずつ頭の位置に対する指摘がなくなってきていたので少しは感じることができているのかとも思えていました。しかし最後にもっと右に傾けてとカメラマンに言われることになり私の中でここが真ん中なのかと不思議に思っていました。その後、写真のサンプルが出来上がってきて見てみると完全に右に傾いた写真が最後にありまして、言われるとおりに行っていたものの自分の感覚があっていたのだと少しほっとした経験がありました。
動作において次につなげる為に左右均衡になることで筋の負荷が少なくなりどちらかに動くことも行いやすくなるのではとも考えています。しかし、中心だけを探そうとすると自分の中でわからなくなってくるものが存在しました。また、訓練を進めていくときには患者さんが思考をすることで頭を動かしていることもあると思われます。どこまで制御してどこまでを自由にするのかを考えていかなければと思っています。
中学校の頃、学生証の証明写真を撮る時にカメラマンに頭を右にと指摘されている人がいました。自分もできるのかなと順番が来て行ってみると指摘されて直されるものの自分の中心がわからなくなる経験をしていました。自分の中で弓道を経験して身体の正中に対して注意を向けていることもありました。弓道の経験の中では頸部を左回旋している状態なので頭の位置の中間は少し経験不足なのかもしれません。認知神経リハビリテーションを経験する中で身体への注意はさらに興味を持つものとなっています。そんな中カメラマンに写真を撮ってもらう機会があったのですが、また開始時は少し頭を右にと指摘を受けていました。やはり自分の身体においてもまだ正中をとらえることのむずかしさがありました。患者さんにもこのような中間位に持っていくといったことにこだわりすぎてしまうと、訓練に進めなくなってしまうこともあるのではと思えてきました。撮影が進むうちに少しずつ頭の位置に対する指摘がなくなってきていたので少しは感じることができているのかとも思えていました。しかし最後にもっと右に傾けてとカメラマンに言われることになり私の中でここが真ん中なのかと不思議に思っていました。その後、写真のサンプルが出来上がってきて見てみると完全に右に傾いた写真が最後にありまして、言われるとおりに行っていたものの自分の感覚があっていたのだと少しほっとした経験がありました。
動作において次につなげる為に左右均衡になることで筋の負荷が少なくなりどちらかに動くことも行いやすくなるのではとも考えています。しかし、中心だけを探そうとすると自分の中でわからなくなってくるものが存在しました。また、訓練を進めていくときには患者さんが思考をすることで頭を動かしていることもあると思われます。どこまで制御してどこまでを自由にするのかを考えていかなければと思っています。
2016年9月15日木曜日
患者の学び
尾崎 正典(尾張温泉かにえ病院)
ある上腕骨骨折の患者が、初回の治療時に以前、NHKでやっていた痛みに関する番組について語った。「痛みに意識を向けてはいけないんですよね。でも分かってはいるんですが、どうしても向けちゃうんです。身体はがちがちだし、痛いところにどうしても気持ちがいってしまい、動かすとさらに痛みが出ちゃいそうで、分かっているんですが・・」痛みや、痛みの治療に関して、NHKテレビで学んだ患者である。民間のテレビとは違い、NHKというマスメディアの影響はかなり大きい。「NHKでやっていたから」というだけで、信用度が全く違う。以前も、川平法、ボツリヌス療法など放映された次の日の患者の話は、NHKの番組の話で持ちきりだった。そして、しばらく続く。すぐにセラピストの専門書を買い、持って来られる患者、実際にボツリヌス療法を行う患者、しかし、放映された患者の回復と同じ結果が出て改善されるということはほとんどない。よい結果だけを放映していることは、患者自身がよく知っているが、やはり、「よくなりたい」と思うのは当然であろう。患者は、あらゆる可能性を試してみたいと思う。
痛みの番組をみて、痛みの最前線のことを知っている患者への治療は、番組の内容の確認作業から入っていった、NHK番組というツールを通じて患者の治療を行っていき、患者の痛みは短期間で軽減され、身体のがちがち感は無くなり、洗濯干し時にのみ、若干ツッパリ感を感じる程度になっていった。患者自身の学習が患者自身の治療に役立つことを再確認した。治療にかけられる時間は限られているし、生活していく中で治療以外の時間の方が圧倒的長い。その中で、セラピストとワンツーマンでしかできないことと、患者しかできないことを見極め、アドバイスし、患者の自立した日常生活に結び付けられるような結果を出すことが、私達の仕事であり役割である。
ある上腕骨骨折の患者が、初回の治療時に以前、NHKでやっていた痛みに関する番組について語った。「痛みに意識を向けてはいけないんですよね。でも分かってはいるんですが、どうしても向けちゃうんです。身体はがちがちだし、痛いところにどうしても気持ちがいってしまい、動かすとさらに痛みが出ちゃいそうで、分かっているんですが・・」痛みや、痛みの治療に関して、NHKテレビで学んだ患者である。民間のテレビとは違い、NHKというマスメディアの影響はかなり大きい。「NHKでやっていたから」というだけで、信用度が全く違う。以前も、川平法、ボツリヌス療法など放映された次の日の患者の話は、NHKの番組の話で持ちきりだった。そして、しばらく続く。すぐにセラピストの専門書を買い、持って来られる患者、実際にボツリヌス療法を行う患者、しかし、放映された患者の回復と同じ結果が出て改善されるということはほとんどない。よい結果だけを放映していることは、患者自身がよく知っているが、やはり、「よくなりたい」と思うのは当然であろう。患者は、あらゆる可能性を試してみたいと思う。
痛みの番組をみて、痛みの最前線のことを知っている患者への治療は、番組の内容の確認作業から入っていった、NHK番組というツールを通じて患者の治療を行っていき、患者の痛みは短期間で軽減され、身体のがちがち感は無くなり、洗濯干し時にのみ、若干ツッパリ感を感じる程度になっていった。患者自身の学習が患者自身の治療に役立つことを再確認した。治療にかけられる時間は限られているし、生活していく中で治療以外の時間の方が圧倒的長い。その中で、セラピストとワンツーマンでしかできないことと、患者しかできないことを見極め、アドバイスし、患者の自立した日常生活に結び付けられるような結果を出すことが、私達の仕事であり役割である。
