2016年1月16日土曜日

今年の自分は

井内 勲(岡崎共立病院)

2016年、去年を振り返りながら今年の目標をしっかりと、「言葉」として掲げて一年をスタートしている人も多いと思う。

今回は、1月2日の深夜にテレビ愛知(テレビ東京系)で放送された番組、「天才アスリート勝利の言葉~みらいのつくりかた新春SP~」から自身が惹かれた「言葉」を紹介したい。

番組の概要は、TV東京「みらいのつくりかた」の公式サイトなどから知る事ができたが、毎週スポーツ界を牽引し続けるアスリート、指導者、技術者たちが登場し挫折や逆境の経験から支えてくれたもの、そこから切り開いた「みらい」を紹介するという趣旨で放送されているようであり、今回はその特番であった。

内容は、昨年に活躍したアスリートの 「言葉」のちから にスポットが当てられラグビー日本代表の五郎丸歩と芥川賞作家の又吉の対談に始まり、テニスの錦織圭、体操の内村航平、白井健三などの言葉やその支えとなった周囲の人たちの言葉がたくさん紹介されていた。

それらの中から惹かれた「言葉」は沢山あったが今回は2人アスリートから紹介する。まずは錦織圭より、彼は「言葉が自分を助けてくれる、自分どう考えたらいいかきっかけになる」と語っていた。彼のコーチである、M.チャンは「言葉は選手にとってとても重要だ、言葉によって導かれ支えられ積極的になる、そしてそれは素晴らしい力になるんだ」とし、錦織に対して、「Believe yourself 絶対に勝てる」と同じ言葉を幾度となく伝え続けたそうだ。そして錦織はそれをきっかけとして一昨年の全仏オープンで準優勝した。しかし、昨年は思うような結果が出ずに、その全仏がまさかの一回戦敗退、悩む錦織の姿を見てM.チャンはこれまでの強気すぎる言葉を消し、「負けてもいいから思いっきりやれ」とかける言葉をかえた。それをきっかけに、吹っ切れた錦織はシーズン後半に持ち直し世界で8人しか出られないATPファイナルズに今年も選出された。M.チャンは「言葉」に対して、「戦いの中で選手と同じ考えや目標を共有する際、言葉はとても大きなインパクトを与える。ただし言葉の使い方はとても注意深くする必要があり、ポジティブすぎてもネガティブすぎてもダメなんだ」と述べていた。

次に体操の「ひねりの神様」こと白井健三の父親は、息子を「コミュニケーションから人の考えを探り、コミュニケーションから方法論を編み出している」と分析していた。そして内村航平との出会いや、コミュニケーションから「初めて自分のひねりを理解してくれる人と巡りあう事ができ、それがとても嬉しかったんだろう」と語った。そして「アスリートはトンネルだらけで、きついな、つらいな、大変やなという時にすごい人と出くわす、そしてその一言、言葉が急激に成長させる」と身振りを加えて語っていた。さらにM.チャンと同様に「最近は言葉を選んで息子と話すようにしている」と重ねていた。

こういった内容の番組は視聴する各々で様々な浸透の仕方があり、その時々の各自の背景と照らし合わせながら同じ言葉を聞いても違った影響力があると思う。また、自分自身の中でもセラピストとして、組織人、社会人として、父親としてなど色々な側面での思いと照合しながら自分の中に突き刺さるものも多い。

そして多くは現状の自分と期待したい自分との差異(葛藤)の中から生じてくる課題や信念のような思いであると考える。

皆さんはいかがでしょうか。(インターネットで視聴ができました。)