2014年8月15日金曜日

スーパープレゼンテーション

進藤 隆治(岡崎共立病院)

スーパープレゼンテーション(NHK Eテレ 毎週水曜日22:00~22:25)

スーパープレゼンテーションは、NHKで放送されているプレゼンテーションを題材とした語学教養番組である。この番組は、アメリカで開催されている大規模カンファレンス「TED Conference」の講義を日訳字幕付きで放送している。一度見て面白いと思い、皆に遅れながら、毎週水曜22時に録画予約して観ている。

ここでの発表者は、あらゆる分野の最先端をいっている方々で、話し・表現・スライドを駆使したプレゼンで視聴者を魅了する。自分の場合は、テーマというより発表者がどのように視聴者に伝えるのかといった発表の仕方に興味があり、この番組を観るようになった。

自分と他者の交流は、自分の主張と他者の主張から共有できる部分を確認し、また違う部分を明らかにする事で、確認や新たな認識となると考える。

自分の主張を整理し、他者にわかりやすく伝えることが必要であり、また、他者の主張を聴き、理解することできるだけ余力(余裕)が必要である。これは普段の患者とその家族、同僚、専門仲間など、自分に関わる全ての人とのやりとりの中で重要だといえる。

この番組は、自分がどのようにプレゼンできるかといった引き出しを増やしてくれる。理想のプレゼンをできるように今後も観ていきたい番組である。

2014年8月1日金曜日

たまにはぼんやりと

首藤 康聡(岡崎南病院)

先日、夏休みを利用して九州の実家に帰ってきましたが、やはり地元は良いものですね。僕の地元は海のそばで子どもの頃から海辺で良く遊んでいました。さてその海を妻と子どもが浜辺で遊んでいたわずかな時間ぼんやりと眺めていたのですが、なんだかすっきりとした感じがしました。

さて、このぼんやりとする時間。実は非常に大切な時間なんです。このぼんやりとしている間にも脳は活動し、最近の研究では自己認識や記憶の想起、他者の心の推定などに関与するのではないかといわれています。実はこのようにぼんやりとしていても脳が勝手に仕事をしてくれているんですが、この様な活動はデフォルトモードネットワーク(Default Mode Network:DMN)と呼ばれています。

DMNはワシントン大学医学部のM・E・レイクル教授が2001年に発見した脳活動なんですが、これは複数の脳領域で構成されるネットワークで、脳内の様々な神経活動を同調させる働きがあると言われています。また実験では後部帯状回と前頭葉内側が活動したそうです。また最近の研究ではDMNの機能障害は認知症や鬱病、自閉症や統合失調症などの疾患に関与するのではないかと言われています。

認知神経リハビリテーションを学んでいくとどうしても脳を活性化させ、組織化する必要があると考えてしまいがちです。それは決して間違いではないと思います。しかし、DMNを考えると時にはぼんやりする時間がより脳の組織化を促すような気がしてなりません。

認知神経リハビリテーションは今、行為間比較という新たな課題に向かっていこうとしています。しかし、まだまだ考えなければ成らない基礎がある事を忘れてはいけないと思いますし、その基礎を整理して臨床応用していくためにはぼんやりする時間も必要ではないでしょうか。きっとこの時期は夏休みをとる方もいらっしゃると思います。いかがですか。今年の夏休みはちょっとぼんやりしてみませんか。