2017年2月15日水曜日

記憶

佐藤郁江(岡崎南病院)

過去の経験をといったことが認知神経リハビリテーションの中で思い出して治療の中に組み込まれるようになってきています。ただ、思い出してもらう記憶としてなかなか思い出せないことが多いです。また、患者さんの行為との対比ができるものでなければならなくてどこから聞いていくことができるのか私の中ではまだまだ課題となっています。記憶を確認していくと自伝的記憶というものがあります。これは感情や懐かしさを伴った文字通りの「思い出」となっています。認知神経リハビリテーションの中での過去の経験を思い出してもらうのにかかわる関節が伴っているのに加えて、感情なども想起する必要があるといわれていたと思います。そんな中で自伝的記憶は一つの治療に必要となる経験を思い出してもらうにあたってきっかけとなるものと感じました。これは、手がかり法を用いて自伝的記憶から早期を指せると、最近の数年間の経験を多数思い出せるだけでなく、特に50歳以上の人の場合には、他の年代に比べて10代後半から30歳くらいまでの記憶を多く思い出す。これは、レミにセンス・パンプと呼ばれているそうです。この、患者さんの年代が50歳以上であれば最近の記憶の中で探すとともに10代後半から30歳くらいまでの経験したと思われることをきっかけに聞いていく方法もあるのではと感じました。

2017年2月2日木曜日

新年を迎えて

尾﨑 正典(尾張温泉かにえ病院)
 
 新年を迎えました。本年も宜しくお願い致します。皆さんとともに、さらなる飛躍をしていきたいと思います。アメリカの大統領も交代し、世界はさらに激動の時代にあります。これから、どのような状況に世界が動いていくのか、なかなか読めない、今日この頃であります。私達も、診療報酬改正により、現場も様々に変化していると思います。しかし、私達セラピストの仕事は、目の前にいる患者をどのように良くしていき、少しでも、もとの生活に近づけるように治療していくことには変わりません。どのように今年1年を過ごしていくのか決まっている方、まだ模索中の方、様々いらっしゃると思います。
 認知神経リハビリテーションのホームページに宮本会長の最新のメッセージ№,74「 龍安寺の石庭、砂の花壇、に思う」には15個ある石庭の石は廊下のどこから眺めても、必ず1個の石は他の石の陰に隠れて見えない、どの角度から見ても石は14個しか存在しない。石庭にはどこから眺めても視線の盲点がある。リハビリテーションの治療において患者を観察する時も同じだと心に刻みながらも、単純な僕は15個の石を見るにはどうすればよいかを考える。私も宮本先生のメッセージ文を、ここの文まで読み、途中で立ち止まり、自分なりに考えてみた。実際に龍安寺の石庭に10年ほど前に行った時に、色々と考え、やってみたことを思い出してみたが15個目の石を見つけることは出来なかった。単純に上から見れば見えると言う発想しか思い浮かばなかった。
 私達は患者の前で、その時の自分の最善の治療を行っているが、症例検討などで他のセラピストの意見を聴くと、様々な盲点に気づく。やはり、盲点は存在してしまう。だから、他者の視点は重要であり、自分自身では気づかない視点を教えられる。
 他のセラピストからの視点は、龍安寺の石庭の15個目の石と同じように感じる。患者のために、15個目の石を常に探すという志を忘れず、この1年さらなる前進を。