2013年8月16日金曜日

魔女の宅急便 その2 キキと新しい魔法

佐藤 郁江(岡崎南病院)

魔女の宅急便 その2 キキと新しい魔法
角野栄子作  福音館文庫

ジブリ作品としても有名な魔女の宅急便、児童書に原作がありその続編があったので気になって読んでみました。その2は1993年に出版されています。2009年に6まで出ており成長の過程が見られますが、私も最近気づいたためまだすべて読めていませんがこんな風に成長していっているのかと楽しく読んでいます。

このその2の中にカバのしっぽがなくなったことにより、歩き方もふらふらとしており、心と体の中心点行方不明病で病院まで運んでくれと書かれていました。中心点行方不明病の改善はしっぽを戻すこと、本物のしっぽがあると思ってもらって、ホッチキスでくっつける。そんな治療をしていました。実際にはこのような病気はないと思いますが、身体の一部がなくなっていると感じている時には実際に本人があると感じてもらうことで動き方が変わってくると考えられます。もちろんそのために何が必要なのかを考えなければいけません。

2013年8月1日木曜日

OTの臨床実践に役立つ理論と技術

尾﨑 正典 (尾張温泉リハビリかにえ病院)

OTの臨床実践に役立つ理論と技術―概念から各種応用まで
作業療法ジャーナル6月増刊号 (三輪書店)

本書の目的として書かれているのは、多くの臨床家に作業療法と関連の深い理論・技術の概要を示すことである。筆者の方々には、各理論・技術の成立過程と変遷、適用範囲(対象とする疾患や障害)と限界、具体的方法とエビデンス、今後の展望等について解説されている。

臨床家が様々な理論・技術の概要を知ることができれば、自ら学ぶべきものの選択が可能になる。自らの関わる分野に限定せず、広い視野で理論・技術を眺めた時に、たとえそれが他分野で発展してきた理論・技術であっても現在の臨床に有益であることに気づけるかもしれない。このような気づきを得て多くの理論・技術を習得しようとすること、すなわち対象者によりよい臨床活動を提供しようと努めることは、臨床家にとってあるべき姿ではないであろうか。多くの理論・技術を学び、しかしそれに拘泥せず、対象者の疾患・障害・時期に応じて使い分ける。そのような柔軟な姿勢と実践力を有する臨床家が求められていると思うのである。と編者の代表者は述べている。

内容は、「中枢神経系」、「筋・骨格系に関するもの」、「内部障害に関するもの」、「環境と動作・行動に関するもの」、「精神・心理に関するもの」、「さまざまな疾患に適応となるもの」が書かれてある。いわゆるファシリテーションテクニック、反復性経頭蓋磁気刺激、CI療法、川平法、認知神経リハビリテーション、など現在臨床で行われているものが書かれている。

編者の代表者が述べているように、確かに現状臨床現場で行われている治療を知っておくことにこしたことはないし、新しい思考が生まれるかもしれない。
一度、日本で行われている様々な治療を学習し、認知神経リハビリテーションとの理論の違いや治療に対する思考の違いを比較、検証して見ることも重要ではないかと思う。