2013年4月18日木曜日

見直される理念

岡崎共立病院 井内勲

見直される理念
中日新聞サンデー版 世界と日本 大図鑑シリーズ 『学校と社会をつなぐ キャリア教育』 NO.1090,2013.4.14
 
日曜日の中日新聞には、別刷2ページ分のサンデー版が一緒に挟まっている。その1ページ目の見開きに「世界と日本 大図解シリーズ」があり、自分はこの紙面が毎週楽しみで、要チェックしている。時節の話題を図表や大きめの絵、時には漫画風にも書かれ、気になっていたニュースはもちろん、少し難しそうなテーマやあまり興味の無かったテーマでも、幼い頃によく広げた図鑑のように視覚的に飛び込んでくるので、新しい発見の一歩目となることも多い。また最後にそのテーマに関する知識人によるコラムがあり、その内容の説明、整理にもつながってこれも分かりやすくさせてくれる。

その中で4月14日の大図鑑シリーズ、『学校と社会をつなぐ キャリア教育』にて三村隆男氏(早稲田大学教育・総合科学学術院教授)がキャリア教育について短評をされたいた。

・キャリア教育というと、真っ先に職場体験や進路相談を想起させますが、人は体験やコミュニケーションを通して自己理解(気づき)を深めます。この気づきが、キャリア教育の第一歩となり得ます。自分は何が得意で何が苦手だったのか、今の自分には何ができて何ができないのか、これから何をしたいかなどは、生き方を選択するには必要な思考なのです。
・(キャリア教育には)人生の選択にかかわる具体的な情報も重要です。どのような学び(学校)があるのか、どうのような働き方(職業)があるのかといった事は、今の自分とこれからの自分のギャップを知り、どのような取り組みが必要かなどのキャリアプランニングに取り組む基本的な情報となります。
・キャリア教育が一貫して目指したのは、主体的に生き方を選択する能力や態度を育てることでした。
・キャリアを生まれてから死ぬまでの長い道程を指すものとすれば、キャリア教育はそれぞれの段階でさまざま活動を効果的に展開し、創造的に生きていくための理念や方向性を指し示す教育といえるのです。

自分は「キャリア教育」のなかに若干の共通点を感じた。「キャリア教育」は「認知神経リハビリテーション」として、そして「キャリア」とはまさに「認知を生きる」そのものとして・・・いかがでしょうか?

さらにはもっと多くの教育や学びというテーマに秘められるものに、自分自身触れてみたいと思わされてた内容であった。

2013年4月1日月曜日

症例は・・・

首藤 康聡(岡崎南病院)

症例は30歳代の男性です。

数年前より両下肢の疲労感を強く訴えるようになりました。特に右側が酷く、下腿後面がいつも「カチカチになってる感じがする」と訴えていましたが、触診では筋緊張に左右差は認められませんでした。

症例は幼少の頃より、両膝関節の痛みを頻回に訴え、高校生の頃に『半月板変形』と診断された事がありました。そのような背景もあり症例はこの両下肢の疲労感は膝関節の影響だと考えていたのです。

さて、本日症例は歩行時の左右の下肢を比較してみると右立脚中期から後期にかけて右側の下腿後面と足底前方に“グッ”と踏ん張るように力が入っている事に気がつきました。そしてもう一つ。この際の足関節の背屈が左側に比べ少ない事に気がつきました。これはどうやら下腿後面の筋緊張が影響しているという事はわかったので、左側のイメージを右側に移してそのイメージ通りに運動を行おうとしたのですがなかなかうまく行きませんでした。そこで他に違うところはないだろうかともう一度左右を比較してみました。すると立脚中期の中殿筋の収縮が弱い事に気がつき、そのイメージを同じように左側から右側へ移し、運動を行ってみることにしました。すると、グッと力が入ることなく背屈が増大し、スッと歩行ができるようになったのです。さらに腰部の使い方にも左右差があることに気がついたのです。

もちろん、まだまだ仮説の段階ですし、細かい内容は省かせてもらいますが症例が両下肢の疲労の原因は膝だと思っていたのに実は違う可能性が出てきたのです。もちろん一番の問題点は膝だとは思いますが、疲労の問題が一時的な問題ではなく二時的な問題である可能性が出てきたことに症例は驚いています。

さて、ここまで読まれた皆さんはこう感じているかもしれませんね。そう、これのどこが『臨床のヒント』なんだと。ただの症例報告じゃないかとお怒りかもしれません。実はこの症例は僕自身なんです。僕自身の身体を省みることで次の臨床に活かせる内容だったので、これは『臨床のヒント』なんです。

いかがでしょうか?皆さんも自分の身体を参考にして、『臨床のヒント』を見つけてみてはいかがですか?以外に面白い発見があるかもしれませんよ。