2015年12月15日火曜日

仮説を立てるための知識について(4)

若月勇輝(西尾病院)

前回の私の臨床のヒントでは論文検索方法について記述した。知識を収集する際に、絶対と言って良いほど英論文に遭遇する。論文の参考文献には英論文がずらりと並んでいる。レビュー論文に興味深い記述があり、その参考文献が英論文であった場合、英語を読むことができなければ、その知識を収集できない。私もそうであるが、英語を読むことに抵抗がある。訳せないことはないが労力と時間が必要である。しかし、英語が読めないから知識を収集できず、洗練された仮説を立てられなくなるのは、患者さんにとってもセラピストにとっても非常に残念なことである。ではどのように英語を読めば、労力と時間をかけなくて済むのだろうか。今回は訳す際に多く時間を要すると思われる英単語の検索方法を、私の経験を通して紹介する。

医学系の英論文を読むためには、医学系の電子辞書が必要と考えている人もいると思われる。しかし、今はインターネットで調べることができるので、そのような高価な辞書は必要ない。Weblio辞書というサイトを使えば、大抵の医学系の英語を検索することができる。また、lingueeというサイトを使えば、論文で使用した例文の翻訳を検索することができる。
さらに、インターネット上に便利なアプリがある。Weblioの翻訳アプリがあり、それをGoogle Chromeにダウンロードすれば、インターネット上に表示される英単語にアイコンを合わせるだけで検索可能になる。これはPDFでも利用可能である。それにより、医学系の電子辞書を購入せず、検索する時間を短縮し、翻訳が可能となる。

また、パソコンを使用しない方法もある。Iphonには辞書機能がついており、文字範囲を選択するだけで英単語の意味を検索することができる。PDFでダウンロードできる論文はIphonで見ることができるため、この機能を活用することができる。しかし、英論文を読むたびに毎回ダウンロードするのは手間である。ここでDrop boxという無料のデータ保管システムを使用する。USBがネット上にあるようなものである。このアプリをIphonとパソコンにダウンロードしておけば、パソコンに保管したデータをIphonで見ることができる。Iphonにない単語はウェブ検索の表示があるため、すぐに検索することができる。これによって検索スピードは早くなり、結果として論文を読むスピードは早くなる。インターネット上にある翻訳システムは誤訳が、多いため自分で訳した方が良いと思われる。

このようにして、英論文を早く読むことによって、より早く洗練された仮説を立てられるのではないかと思われる。もっと効率の良い方法を知っている方がいたらコメント頂ければ幸いである。

2015年12月1日火曜日

相手に本気で話をきいてもらう唯一のコツ

進藤 隆治(岡崎共立病院)

相手に本気で話をきいてもらう唯一のコツ

「会話は面白くなくてはいけません。
どれほど、内容が濃くて役に立つ話でも、長くて面白くなければ嫌われる。
だからといって、笑いを取ろうと無理すれば失敗します。面白がってくれたとしても、品の悪い人間と思われたりする。
面白いネタには限りがあるので、いつも成功することはむずかしい。
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眉根を開いて、心から自然に湧き出してくる晴れやかな表情をもって、相手と向き合うこと。
これこそが、相手に本気で話を聞いてもらえる、唯一の秘訣です。
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(森鴎外生き方の『知恵袋』人生論ノートP.90,91:齋藤孝 編・解説)

上記の文章は読み、先日聴いた講義を思い出した。
11月22日にみえ認知神経リハビリテーション勉強会の特別講義にて鶴埜先生の講義だが、難しい内容を簡潔に、要点をまとめ、面白く話をされていた。
私自身も今年は何回か院内で勉強会を開いたり、学会発表もしたが、大変緊張もしたし、早口になったり、視聴してくださった先生の眠りを誘ってしまったりと上手く話ができなかったことを思い出す。
鶴埜先生はとても晴れやかな表情で話しをされていて、とても聞きやすいと感じた。
そして、本当に認知神経リハビリテーションや研究、勉強会で一緒に盛り上げている仲間のことが好きなんだと思った。
今回の話は、自分が楽しいと思える発表がしたいと強く想った機会となった。