2015年6月15日月曜日

失敗学のすすめ

佐藤 郁江(岡崎南病院)

『失敗学のすすめ』
畑村 洋太郎著 株式会社 講談社

失敗学は、失敗を否定的にとらえるのではなくプラス面に着目してこれを有効利用しようという点により生まれてきたとされています。つまり不必要な失敗を繰り返さないとともに、失敗からその人を成長させる新たな知識を学ぼうというのが『失敗学』の趣旨なのです。

これは、現在医療現場にいる私たちの中ではヒヤリハットなどといわれる、インシデントの分析をし、次のインシデント・アクシデントを起こさないようにするといったところからも経験していることであると思われます。

では、患者さんにとっての失敗とは何なのかと考えてみましょう。そうすると、「思ったようにできなかった」といったようなことが出てくると思われます。その思ったようにできなかったといったことが出てくるのであれば、目標としていることが患者さんの中にあり目標との対比ができている可能性が高くなってくると思われます。それを、患者さんの中での必要を考えていくことができるようになってくると考えることができます。

この本の中では、失敗はさらに未知との失敗と発展していくためのものになっています。しかしその前に、『本の中で知識の必要性を体感・実感しながら学んでいる学生ほど、どんな場面にでも応用して使える真の知識が身につくことを知りました』とあり、患者さんにとって必要な知識を自分で選択できるようにしていけることで、生活の中での改善にもつながっていけるのではと、考えています。

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