2013年11月17日日曜日

熱発してみて

首藤 康聡(岡崎南病院)

先日、40℃近く熱を出してしまい、数日間苦しんでしまいました。幸いインフルエンザではなかったのですが、流石にこれだけの高熱だと身体にも異変がでてきます。

夜間の事です。あまりに苦しかったのですが、その時の僕の手は痺れ、まるでグローブのように大きく腫れている感じになっていました。つまり僕の身体イメージが変質していたのです。「あ〜風邪でも身体イメージは改変してしまうんだな」なんて考えていたんです。これが発熱の問題なのかどうかわかりませんし、風邪によって何らかの理由で体性感覚情報の問題が生じたかもしれません。ただこの事は臨床家としてすごく大切な事に気がつかせてもらえたような気がしてなりませんでした。

それは身体イメージの変質が体性感覚情報の問題以外で起こる可能性があるという事です。我々は身体イメージの変質が体性感覚情報の問題で起こる事は知っています。しかし、知っているがために理由がそれであると決めつけてしまいがちです。いやそれしかないと決めつけてしまいます。そのため臨床ではそのための介入方略しか提供していませんし、結果が出てこない事があることを経験します。それは我々が自分の知っている内容で問題を評価し、解決しようとした結果です。またもし問題が解決できない場合その原因を自分以外のところへ持って行こうとします。それでは問題解決にはなりません。

知る事で盲目になることもあれば、知らないがために盲目にもなりやすい。なんだかポパーの反証可能性につながりそうだなと、そんな事を思う真夜中でした。

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