進藤 隆治(岡崎共立病院)
今回の臨床のヒントでは、将来に望む自分の臨床像について話しをしようと思う。
つい先月、鶴埜先生にお願いし千葉へ臨床見学に行く機会があった。
自分の臨床で足りないところや、何か自分に変えられないかといった漠然な想いを抱き、臨床見学へと伺ったしだいである。
色々と教えてもらうことができたが、今回は特に印象に残った3つのことを上げる。
①認知キットは職人の道具である(道具の特性についての理解)
訓練は患者に何かを教えるが為に行われるが、道具の特性を理解しておかなければどのように患者に教えられるかが判断できない。
②適切な姿勢・道具の配置ができなければ、認知課題そのものが意味のないものになってしまう
体幹・上肢・下肢の運動を制御していく際に動きだけ(特異的病理)に捕われるのでなく、固定される部位や相互作用する道具にも着目していなければならない。
認知過程を適切に導くような準備が必要である。
③日本人の場合はわかることから情報を構築していくことで、患者は自己の身体について語りやすくなる
わからないことを説明するのは日本人は苦手な部分があり、わかったことから情報と差異を確認していくことで、患者の思考は深くなる。
その他にも自分が被験者となり、訓練を体験したことで患者の視点から、環境との相互作用について考えを深めることができた。
この経験は自分にとって一つの道標になるであろう。
将来、自分の臨床が患者さんに「何を・なぜ・どのように教えるのか」が洗練されたものになっているように望んでいるし、そのなるように勉強していきたい。
最後に、認知神経リハビリテーション研究会理事の鶴埜先生に貴重な経験をさせて頂いたことに深く感謝したい。
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