2016年2月1日月曜日

マツコの知らない世界 武井壮

荻野 敏(国府病院)

「マツコの知らない世界」はTBS系の人気テレビ番組だ。
http://www.tbs.co.jp/matsuko-sekai/

東海地方では火曜日の夜9時から放送されている。単純にマツコ・デラックスの番組は好きだ。有吉とのコンビや関ジャニの村上とのコンビネーションも心地よい、なにより的を得たコメントや多角的な視点からのコメントにはうならされることが多い(笑うことの方が多いけど)。そんななか、「マツコの知らない世界」は見逃さないようにハードディスクビデオに録画して見ている。内容の多くは家電とかおいしい食べ物のネタが多いが、たまに「おっ!」っと思わせる話題も出てくる。一番最近びっくりしたのが2015年11月24日に放送された「マツコの知らない学校では教えてくれないスポーツの世界」だ。ゲストは”百獣の王 武井壮”(笑)。しかし、この内容がすごかった。

武井壮が語るのは「スポーツが上達する武井流理論、ボディーコントロールの世界→自分の体を思い通り動かすこと」だ。武井壮は10歳の時、野球で全打席ホームランを打ってやろうと思ったが全然打たなかったそうだ。あたりまえっちゃああたりまえ。でも武井壮は不思議でしょうがなかったらしい。なぜか!!水を飲もうとペットボトルに手を伸ばして持ち、飲むことはできる。飲みたいって思って失敗したことがない。なのになぜホームランは失敗するのかと、不思議に思ったそうだ。好きな野球選手のフォームを真似してやっていたらしいが、ビデオを撮ってみてみたらフォームが全く違っていたことに愕然としたそうだ。そしてそれを何とかしなきゃいけない、「僕の体を頭で思った通りに動かす練習をしなきゃいかん」と思い、一番初めに「目をつぶった状態で両腕を水平な位置に上げる」ということに取り組んだ。自分では思った通りに動かしているつもりなのに実は数センチのずれがある。「これぐらいいいじゃない!!」とマツコは言うが、武井壮は「もしこれが野球のバッティングでホームランになる球が3センチずれたらファールチップになるでしょ?」と返す。確かに日常生活では大きな問題はないが、スポーツの世界などは認知過程のレベルではかなり高い精度の運動を要求されるだろう。これは現象学でいうところの”測度”の話だ。その身体運動のズレを修正しないでプレーするのと、修正してプレーするのでは成功する可能性がどちらが高いのかと武井壮は語る。それを10歳の時に考えていたんだから、武井壮はもう天才だ!!!!

武井壮は以前にも「笑っていいとも」という番組の中で、逆立ちができない小学生に授業を行っている。ユーチューブでも見れる。
https://www.youtube.com/watch?v=TXbUlN69ZP4

この中で武井壮は小学生に「なぜ逆立ちができないと思う?」と問いかける。もちろん小学生はわからない様子だが、とりあえず「腕の力・・・・・」と答える。そこで武井壮は質問を変える、「じゃあなんで今、立ててるの?」と問いかける。小学生は「・・・・・」。武井壮は「逆立ちが何でできないかっていうと、立っているときに何で立ててるかを考えたことがないからだ」と説明する。手を伸ばして手の先に地面があるということを想定させて「今自分が逆立ちをしているところを覚えちゃってください、こんな感じだな、あんまり力はいってないな、まっすぐ上向いているだけだなって」っとアドバイスする。そして実際にやらせてみて、まずは武井壮が小学生の足を持って「地面があるよ、まっすぐなってるよ」といったことを問いかけて、そして手を放すと・・・・・・・。なんと逆立ちができてる!!!小学生ははにかみながらも笑顔を見せる。いやあ、すごい武井壮!!!

イメージ、測度、身体感覚、身体イメージ、言語による対話の解釈・・・・・

果たして運動のプロフェッショナルと言われているセラピストで、どれだけの人が武井壮のレベルの実践ができるだろうか。

いやあ、”百獣の王 武井壮” 恐るべし!!

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