2013年9月1日日曜日

ライダー変身!!!

首藤 康聡(岡崎南病院)

皆さんは仮面ライダーをご存知ですか?というか知っていますよね。○○ライダーがこんな恰好だとか、必殺技はこうだとか細かい事は知らなくてもこのヒーローの名前を聞いた事が無いという方はいないですよね。昨年(?)リメイク版の映画も上映されたサイボーグ009の原作者、石ノ森章太郎先生の代表作ですよね。って知らない方も多いですかね。1978年に初代仮面ライダーが放映されてから現在の仮面ライダーウィザードまで続いているヒーロー戦隊やウルトラマンと並ぶ日本のヒーローですよね。ちなみに現在放映中の仮面ライダーウィザードは魔法使いの設定で、次回作の仮面ライダー鎧武は戦国武将がモチーフでフルーツを使って変身するそうです。今からどんなストーリーになるのか楽しみなのは僕だけでしょうか?いやきっと小さいお子さんを持つ、お父さんセラピストも気になっているはずです。ちなみに日曜日の朝8時から朝日系列で放送されていますのでたまには童心に帰ってみるのもいいじゃないでしょうか?

さて、皆さんは小さい頃に仮面ライダーごっこをして遊びませんでしたか。きっと友達同士で仮面ライダー役とショッカー役(世代で違うし、今回の話は男性向きですね)にわかれて戦いごっこをしていたと思います。というかしてましたよね?僕らの世代だと1号と2号やV3になりきってごっこ遊びをしたんですが、皆さんは1号と2号の変身ポーズが違っているってご存知ですか?同じようにベルトの風車を回して「ライダー変身!!!トーッ」と掛け声をかけて変身するのですが、腕の動きが違うんです。ユーチューブなどで確認してみてください。そうするとその違いは一目瞭然です。

なんだかマニアックな話になってきましたが、面白いのはここからです。僕を含め、ごっこ遊びを楽しんでいた友達は1号と2号の変身ポーズの違いに気づき(情報の差異)、テレビで1号と2号の変身ポーズの違いを確認しながら実際に真似をして(視覚から体性感覚情報への変換)、次の日に友達とごっこ遊びをしてその友達に微妙な腕の違いを指摘され(他者とのやりとり)、自分が覚えた変身ポーズとの違いを修正し(内部モデルを利用した誤差学習)、家に帰ってテレビを見て「この肩の動きが違う」とか「腕の角度はこのぐらい」など様々な情報を得て(エラー情報を含めた求心性情報の統合)、変身ポーズを修正(運動プログラミングの修正)していきます。この様な事を繰り返していくと、1号と2号の変身ポーズを使い分ける事ができる(運動の自由度)ので、しっかりと1号も2号も演じる事ができるようになります。

さて皆さんこの話って少し認知神経リハビリテーションの流れに似ていると思いませんか?つまり、一見難解で理解に苦しむ認知神経リハビリテーションを皆さん自身がすでに経験しているという事なんです。認知神経リハビリテーションは麻痺からの回復を運動の再学習として捉えています。このような視点で考えると、当然学習とは何か、学習とはどのようなメカニズムで行われているのかなど多くの事を学ぶ必要があります。しかし、それは決して手の届かないような距離にあるのではなく、常に我々の身近にあり、そして誰もが経験している当然の出来事なのです。

さて、マニアのセラピストの皆さんは1号の初期には変身ポーズが描写されていない事はご存じでしょうし、もっと突っ込みたくなるのもわかります。ですが今回はお許し下さい。

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