2014年4月3日木曜日

LEADERS

尾﨑 正典(尾張温泉リハビリかにえ病院)

先日、トヨタ自動車創業者 豊田喜一郎氏をモデルとした「LEADERS」というドラマを見ました。佐藤浩市が演ずる社長である佐一郎(喜一郎)が労働争議の中で、社員に会社存続のため、また日本国の将来のために1600人の希望退職者を募るという話をする場面がありました。佐一郎は「私は断腸の思いで本社従業員1600名の希望退職者を募ることにした。私は常々社員は家族だと言ってきました。その家族に出て行ってくれと言うことは会社を潰すことよりも辛い。たった一つの部品が欠けるだけで、自動車が完成しないのと同じように、たった一人の社員が欠けてしまえば、それはもう、私の会社ではない。」という発言がありました。社長という一人の人間に共感し、従業員(家族)が「社長と共に働きたい」「ついていきたい」という気持ちのなかで仕事を行っていることに感銘を受けると同時にリーダーシップのあり方を学びました。また、この発言を聞いている中で「創発特性」のことがふと思い浮かんできました。あらゆる一つ一つの部品が関係を持つことで自動車を動かすことができる。一つの部品が欠けるだけで自動車は動くことができない、完成しないという事実。そして、人間も骨、筋、腱、皮膚などの個々の関係性が行為を創発する。「創発特性」は認知神経リハビリテーションを学んでいくなかで必ず学習していきます。

「創発特性」とは、システムを形成している個々の要素のレベルでは持っていない性質がシステム全体として振る舞う際に発現されることです。よく例として「時計」があげられますが、時計は一個一個の部品が関係性を作り、全く異なっている「時」というものを生み出します。人間を治療するリハビリテーションという場面だけではなく、業務運営上でもシステム、組織運営を考える上で「創発」「創発特性」の重要性を改めて考えさせられたテレビドラマでありました。

Perfetti教授の教えである「何からでも学び治療に結び付けていく」ということをさらに理解することが出来ました。

0 件のコメント:

コメントを投稿