2016年7月5日火曜日

ヒント探し

首藤 康聡(岡崎南病院)

先日、誕生日を迎え、なぜかふと学生の頃に担任の先生に言われた言葉を思い出しました。「どうして君は急性期の病院に行きたいと思うの?急性期だとリハビリを行った結果なのか自然回復なのかわからないよ。セラピストだったら慢性期で自然回復の可能性がない患者さんを回復させることにやりがいを感じるんじゃないか?」色々なご意見はあるとは思いますが、その時の僕は妙に納得し慢性期のある当院を就職先として選択しました。

慢性期病院で臨床を行って10数年が立ちますが、未だ満足のいく結果を得られたと思うことはありません。それでも寝たきりだった患者さんが一人で座ったり、平行棒内を歩いたり、スプーンを使って食事をしたりと回復はあり得ないと思われていた患者さんであったとしてもなんらかの改善を認める患者さんがいる事を知ることが出来ました。

「脳の可塑性の可能性を見た」この言葉は僕の臨床を見てくれたある先生から頂いた言葉です。決して自慢しているわけではありません。可能性は必ずあるという事。これをお伝えしたかったのです。可能性は回復を諦めたら消えてなくなります。回復を諦めない限り可能性は無限に広がります。

裏切られた期待に応えるために、その回復の可能性につながる『臨床のヒント』を探していきたいと思います。またこの文章が、皆さんが臨床のヒントを探すきっかけになって頂ければ幸いです。

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