2016年10月2日日曜日

頭の位置

佐藤 郁江(岡崎南病院)

中学校の頃、学生証の証明写真を撮る時にカメラマンに頭を右にと指摘されている人がいました。自分もできるのかなと順番が来て行ってみると指摘されて直されるものの自分の中心がわからなくなる経験をしていました。自分の中で弓道を経験して身体の正中に対して注意を向けていることもありました。弓道の経験の中では頸部を左回旋している状態なので頭の位置の中間は少し経験不足なのかもしれません。認知神経リハビリテーションを経験する中で身体への注意はさらに興味を持つものとなっています。そんな中カメラマンに写真を撮ってもらう機会があったのですが、また開始時は少し頭を右にと指摘を受けていました。やはり自分の身体においてもまだ正中をとらえることのむずかしさがありました。患者さんにもこのような中間位に持っていくといったことにこだわりすぎてしまうと、訓練に進めなくなってしまうこともあるのではと思えてきました。撮影が進むうちに少しずつ頭の位置に対する指摘がなくなってきていたので少しは感じることができているのかとも思えていました。しかし最後にもっと右に傾けてとカメラマンに言われることになり私の中でここが真ん中なのかと不思議に思っていました。その後、写真のサンプルが出来上がってきて見てみると完全に右に傾いた写真が最後にありまして、言われるとおりに行っていたものの自分の感覚があっていたのだと少しほっとした経験がありました。
動作において次につなげる為に左右均衡になることで筋の負荷が少なくなりどちらかに動くことも行いやすくなるのではとも考えています。しかし、中心だけを探そうとすると自分の中でわからなくなってくるものが存在しました。また、訓練を進めていくときには患者さんが思考をすることで頭を動かしていることもあると思われます。どこまで制御してどこまでを自由にするのかを考えていかなければと思っています。

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